2019.09.26 三大栄養素(脂質)②
さて、昨日に引き続いて脂質に関する内容をお伝えしていきます。
トレーニングやダイエットにも関係の深い三大栄養素である脂質。
長文なので興味のあるかただけ読んでいってください!
脂質は三大栄養素の中でも最も高いエネルギーを得ることができます。摂り過ぎると肥満などの原因にもなりますが、エネルギー源になるだけじゃなくホルモンや細胞膜の構成や皮下脂肪として臓器を保護しています。
また、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収率を高める効果もあります。
肥満傾向の人は脂質の摂取量を減らすほうがいいんですが、やせ型の人やダイエットで脂質を避けている人、食事の量が少ない高齢者の場合は、脂質の摂取量不足によってエネルギー不足から疲れやすくなったり、身体の抵抗力が低下する可能性があるため、積極的な摂取が必要ともされています。
脂肪酸の種類
私たちが摂取している脂質の大部分はトリアシルグリセロールと先日お伝えしました。その主な構成成分である脂肪酸の違いによって性質や機能が大きく変わってきます。脂肪酸はそこに含まれる「炭素」の数と「不飽和結合」の有無・数によって分類されます。
飽和脂肪酸・・・炭素同士が結合せず、すべて水素と結合。水素によって飽和されている脂肪酸。
不飽和脂肪酸・・・炭素が二重結合。その二重結合の数により、1個のものを一価不飽和脂肪酸。2個以上を多価不飽和脂肪酸と分類。
~どちらも摂りすぎは注意?~
飽和脂肪酸は、主に肉や乳製品などの動物性の脂肪に多く含まれています。必要なエネルギーを摂取するための一つの方法ではありますが、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ、動脈硬化を促進します。
飽和脂肪酸を多くとる食習慣では、過剰摂取した分が体脂肪として蓄積され、肥満・糖尿病などの生活習慣病を引き起こしやすいとされています。
そのため肉類や乳製品などの動物性の脂肪は、適度な摂取量に抑えることが大切です。
次に不飽和脂肪酸ですが、主に植物性の食品や魚の脂に多く含まれています。不飽和脂肪酸の中には必須脂肪酸というものがあります。必須脂肪酸は身体の中で合成できないため、食べ物から摂取しなければいけません。
また、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
①一価不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルなどに多く含まれており、増えすぎると動脈硬化を促進すると言われている血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値を下げることが報告されています。
②多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸は、そこからn-3系とn-6系に分けられます。
n-3系脂肪酸は、植物や魚の脂などに含まれています。血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値を下げる効果があり、様々な生活習慣病の予防効果があると言われています。
DHA(ドコサヘキサエン酸)といった脂肪酸がよく知られていますね。
このn-3系脂肪酸は、肝臓の脂肪酸酸化酵素の発現量を増加させ、脂肪の利用を高めるとともに、脂肪酸合成酵素の発現量も減少させることで、血中の中性脂肪値を低下させる作用があると考えられています。
n-6系脂肪酸は、主に大豆油やコーン油などに含まれています。代表的なn-6系脂肪酸として、リノール酸が知られています。
飽和脂肪酸の代わりにリノール酸を摂取することで、血中のLDLコレステロール濃度が低下し、心疾患リスクを一部低減できると言われています。
ただし、リノール酸を多量に摂取した場合には、LDLコレステロールだけでなく、善玉コレステロールであるHDLコレステロールまでも減少させる場合があることがわかっています。
今回は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸それぞれの違いをお伝えしていきました。まだまだ分かっていないこともたくさんありますが、「あの脂肪酸の機能や効果が凄いから、たくさんとって健康になろう!」ということではなくて、効果に注目しすぎることなく適度に摂取する、ということだと思います。
それぞれに役割があり、どれかが不足しても、過剰になっても問題は出てくるということですね。
完全にお勉強ブログになってしまいました…
明日は脂質をトレーニングやダイエットにどう利用していくかお伝えしていきます!
からだサポート
理学療法士 袖本雄介