2019.09.10 夏バテ?(栄養から考えてみる②)
暑い日が続きますね。夜も暑くて、睡眠不足になっている方は多いのでしょうか…
今日も夏バテに関してよくある訴えから考えていきたいと思います。
前回はミネラル不足と夏バテでしたが、今回はエネルギー産生にはかかせないビタミンB群です。
まずビタミンB群の種類と働きです。
・ビタミンB1・・・糖質をエネルギーに変換、アルコール代謝に関与、脳の働きや神経の働きに関与
・ビタミンB2・・・脂質をエネルギーに変換、脳と肝臓の働きに関与、皮膚や粘膜の代謝
・ビタミンB6・・・タンパク合成や造血に関与、神経伝達物質の生成、抗アレルギー作用、脂質の抗酸化作用
・ナイアシン・・・エネルギー産生、脂質や糖質の分解、皮膚や粘膜の炎症防止、神経症状の防止
・パントテン・・・タンパク質,脂質,糖質の代謝、神経や副腎皮質の機能を保つ、皮膚の栄養
・ビオチン・・・皮膚の健康維持、筋肉痛緩和
・ビタミンB12、葉酸・・・神経の正常な働きを維持、造血作用、タンパク質の代謝、核酸の合成、脳の発育補助
ビタミンB群は、私たちが生きるためのエネルギーをつくるのに欠かせない栄養素です。
どれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互いがお互いを助け合いながら働くのが特徴です。
そのため、ビタミンB群と呼ばれています。一緒に摂取することが望ましいいわゆる複合体ですね!
ビタミンB群はもともと動植物性食品に広く存在しており、日本人の食生活では不足することは少ないと言われていました。
しかし、 食生活の変化に伴って、加工食品や精製された保存の効く食べ物を多く摂取することは、ビタミンB群の減少を招きます。
また、ストレス、過度の飲酒、加齢、妊娠などもビタミンB群の減少が起こってくることがわかっており、抗生物質の長期服用も腸内の細菌が作るビタミンB群は乱れ、合成量が少なくなるとも言われています。
食品から摂取したビタミンB群は、例えばビタミンB2はB6が必要であったり、ナイアシンやビタミンB12は葉酸と共に働くといった感じで、お互いが関係し合って働くことができます。
そのため、ビタミンB群は単体ではなく、複合摂取が望ましいと言われています。
ここで、ビタミンB群の不足で起こりやすい症状を見ていきましょう。
・疲れやすい・疲れがとれない
・イライラする・急な眠気
・集中力が続かない・口内炎ができやすい
・手や足のしびれなど
必ずしもビタミンB 群の不足だけが原因とは限りませんが、これを見てご自分の夏バテ?と思っている症状にも当てはまるものがあったのではないでしょうか?
ビタミンB群は食べ物から摂取した『ブドウ糖』の代謝にも一役買っています。『ブドウ糖』がうまく代謝できないとみなさんが知っている『乳酸』が作り出されてきます。『乳酸』は別名、疲労物質とも言われており、疲労感や肩こり、腰痛などにもつながってきます。
これだけを考えてみても、夏バテにとても関係していそうですよね!
逆にビタミンB群がたくさんあると、『乳酸』は『ピルビン酸』という物質となり、エネルギーの素となるアデノシン3リン酸(ATP)になります。
人のからだは脳や筋肉を含む全ての組織でエネルギーを必要としますから、このアデノシン3リン酸(ATP)がたくさんあると元気、ということですね!
お疲れという方は、これからビタミンB群を意識して摂取をされてみては?
ビタミンB群の働きを見ただけでも、部活動やトレーニングをされている人にも大切なのがわかりますね!
ぜひ参考にしてみて下さい。
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理学療法士 袖本雄介